退廃的で幻想的な世界観と、キャラクターひとりひとりに用意された「ラメント(専用曲)」で大きな話題を呼んだスマートフォン向けRPG「メメントモリ」。その美しいビジュアルと音楽に惹かれてプレイを検討されている方も多いのではないでしょうか。しかし、実際にプレイしているユーザーからは、賛否両論の意見が寄せられています。「メメントモリ」は放置系ゲームとして手軽に楽しめるのか、それともコアなゲームとして深すぎるのか。この記事では、プレイヤーのリアルな感想を分析し、メメントモリの魅力的な点と、残念ながら「つまらない」と感じてしまうかもしれない点について詳しく解説していきます。
メメントモリはどんなゲーム?
「メメントモリ」は、バンク・オブ・イノベーションが開発・運営するスマートフォン向けRPGです。物語の舞台は、世界に呪いをもたらした「魔女」が存在する世界。プレイヤーは呪われた少女たちを導く存在となり、世界を救うために戦います。このゲームの最大の特徴は、美しいイラスト、そしてキャラクターごとに書き下ろされた「ラメント」と呼ばれる楽曲を組み合わせた、他に類を見ない独特の世界観と演出にあります。
ゲームの主な要素は以下の通りです。
- 放置システム:戦闘はターン制のオートバトルが採用されており、アプリを閉じていても素材が溜まる「放置ゲーム」の要素を持っています。
- アートと音楽:水彩画のような繊細なタッチで描かれた美麗なキャラクターイラストと、キャラクターの背景や心情を歌ったオリジナルのラメント(専用曲)が、ゲームの雰囲気を高めています。
- 編成と育成:育成したキャラクターを編成し、バトルに挑みます。並び順を変えるだけでも戦況が変わるほど、編成や戦略が重要になります。
- ギルドコンテンツ:他のプレイヤーとギルドを組み、ギルドバトルなどのコンテンツに参加できます。
操作自体はシンプルで簡単なため、メインで遊ぶゲームの合間に「ちょっと触るゲーム」として、老若男女問わず手軽に楽しめると評価されています。ただし、その手軽さとは裏腹に、戦略や育成には奥深さも持ち合わせているのが特徴です。
メメントモリはここが面白い!
メメントモリが多くのプレイヤーを惹きつける最大の魅力は、やはりアートと音楽が織りなす独特な世界観にあります。キャラクターは可愛らしく、ボイスも付いており、そして何よりもひとりひとりに用意されたラメントは「秀逸」「素晴らしい」と絶賛されています。世界観を重視する方にとっては、迷わずダウンロードしてほしいと思えるほどのクオリティを誇っています。
具体的にプレイヤーが面白いと感じるポイントは以下の通りです。
- 圧倒的な世界観と演出:水彩画タッチのキャラデザ、キャラオリジナルの楽曲(ラメント)、そしてその全てが退廃的な世界観に統一されているため、ゲームというよりも一つの芸術作品に触れているような満足感があります。新曲や新キャラが続々と実装されるため、「飽きが来ない」と感じる方も多いです。
- 手軽さと放置システムの快適さ:基本的に放置ゲーであり、オートバトルや倍速、スキップ機能も充実しているため、戦闘はあっさりしていて好感触です。「少し軽めのゲームを探していた」という方や、別のメインゲームの余暇で楽しみたい方に最適で、長続きしそうな気がするという声が聞かれます。
- 奥深い編成要素:戦闘自体はオートですが、どのキャラクターをどの位置に配置するか、どのスキルを優先するかといった編成要素が非常に重要で、「並び順を変えるだけでも戦況が変わる」ほど戦略的なやりがいがあります。考えることが好きな方にとっては楽しめる要素です。
- 無料でも楽しめる要素:レア度が低いキャラクターでも進化でレア度を上げられるため、無課金でも十分に強くなれる基盤は整っています。また、デイリーミッションを消化することでガチャ用のダイヤも割と手に入り、初心者でも肩肘張らずに楽しめる環境です。
特に、キャラクターの個別ストーリーや「メモリー」として用意された過去に触れることで、より一層キャラクターへの愛着が深まります。これらの魅力的な要素は、メメントモリのゲーム性とは別に、多くのファンを固定している大きな要因と言えるでしょう。
メメントモリはここがダメ・つまらないかも
世界観や音楽といった演出面が素晴らしい一方で、メメントモリのゲームシステムや運営方針に対しては、多くのプレイヤーから厳しい意見が寄せられています。特に、放置ゲームでありながらも突き詰めると「とことん詰まる」難易度の高さや、育成の過酷さが、モチベーションを削ぐ要因となっているようです。国産ゲームでありサポート面を期待する声もありますが、現状では不具合の多さも指摘されています。
プレイヤーが不満を感じている具体的な点は次の通りです。
- メインストーリーの圧倒的な不足:「ストーリーが少ない」「キャラストーリーしかほとんどない」という点が、RPGとして致命的なマイナス点と評価されています。最初しかメインストーリーがなく、イベントもキャラに絞ったショートエピソードしかないため、「ただの作業でしかない」と感じるプレイヤーが多いようです。
- 極端な難易度と育成の過酷さ:ステージが進むと「長いと1ヶ月半くらい足止めされてた」というほど、詰まるところはとことん詰まる難易度設計です。特に育成に必要な赤い玉(潜在宝珠)が「圧倒的に足りない」という声が多く、新キャラを獲得しても素材不足で活用に至らない状況が続くと、モチベーションが保てなくなってしまいます。
- 無課金・微課金に厳しい環境:育成が過酷なため、課金による素材や戦力強化が必須になりやすく、「超廃課金ゲー」と評されることもあります。素材集めのコンテンツである幻影の神殿でも、敵戦闘力が高すぎて「一部の課金者に引率してもらう以外はまともにできない」という、殺伐とした状況が報告されています。
- 不具合とサーバーの問題:「頻繁にエラーが起きて落ちる」といったアプリの動作に関する不具合が多く指摘されており、サーバーが小さすぎるためにサバ落ちも酷いという報告があります。また、オートバトルで「優先して倒すべき敵を放置する」といった、戦闘AIに関する不満も聞かれます。
- ギルドコンテンツの単調さ:ギルドバトルが「圧倒的につまらない」「20年以上前のシステムでシンプルすぎてショボい」と酷評されており、ギルドでの盛り上がりに欠けると指摘されています。また、サーバー内の治安が悪く、上位ギルドによる精神攻撃など、コミュニティの質に問題があるという意見もありました。
美しい世界観に惹かれて始めたものの、ゲームバランスや育成の過酷さによって、「いずれ耐えられなくなる」と感じ、惰性でプレイしているプレイヤーもいるようです。育成難易度の緩和や、メインコンテンツの追加が強く望まれています。
まとめ
「メメントモリ」は、水彩画のような美しいビジュアルと、キャラクター一人ひとりの魂を揺さぶるような「ラメント」という、他の追随を許さない圧倒的な個性を放つゲームです。放置システムを採用しているため、操作は簡単で手軽に楽しめ、育成や編成を考える戦略的な面白さも持っています。特に、ゲームプレイのメインというよりは、「第二のゲーム」として世界観や音楽を楽しみたい方には、強くおすすめできるタイトルと言えます。
しかしながら、育成に必要な素材の獲得が困難なこと、メインストーリーの量が極端に少ないこと、そしてゲームの難易度が高く途中で足止めを食らいやすいことから、「RPGとしてガッツリと物語や攻略を楽しみたい方」にとっては、物足りなさやストレスを感じてしまう可能性があります。特に無課金でゲームを進める場合は、忍耐強くコツコツとプレイすることが求められます。
結論として、メメントモリは「演出面は芸術的で素晴らしいが、ゲームバランスは非常に人を選ぶ」というのが現状の評価です。まず難しいことは考えずに、その魅力的な世界観と音楽に触れてみてはいかがでしょうか。
インフレ時代のゆるゆる生活 